NASA 未来から落ちてきた男

「NASA 未来から落ちてきた男」 を約20年ぶりに観た。これは1991年の8月に放映された終戦記念の企画ドラマ。当時は分からなかったが、三上博史と中井貴一が主演をしており、また脚本が鎌田敏夫/音楽が久石譲と、豪華な制作陣だった。特に劇中の主題歌である「Over the Rainbow」は非常に印象に残っていた。当時はビデオテープに録画を残しており何度か再生をしたが、いつの間にかビデオテープもどこかへ無くしてしまって、私にとっては幻のドラマとなってしまった。

何年か後にインターネットを利用してこの番組のタイトル等を知ったが、手に入れるすべはなく、ずっと寂しく思っていた。2008年に再放送もしたようだが、それも逃してしまっていた。それが、つい何ヶ月か前に知人のつてでこの録画を譲ってもらえることになり、ようやく手にすることができた。

以下、簡単なあらすじ

1995年の現代にて宇宙飛行士となった日系2世の「ウエノノボル」はシャトル打ち上げ後に原因不明のトラブルに巻き込まれ、仲間の宇宙飛行士2人と共にちょうど50年前にあたる1945年の戦時中の日本に不時着をしてしまう。そこで、様々な取り調べを受ける中で出会った日本軍の士官「橋口ケンジロウ」に不思議な親近感を抱く。しかし戦時中のこと、「未来から来た」などというデタラメな話は受け入れられるはずもなく、誤解が誤解を呼び、ノボルはついに銃殺刑に処せられることになる。そして刑が執行される直前に広島に原子爆弾が投下される。

終戦後、橋口はノボルに対して「おまえの父親の事を聞きたい」と切り出し、いくつかの自分の未来を知るが、その直後に逮捕/釈放され、戦後の雑踏の中に消えていく。ノボルは自分が乗ってきたシャトルを見に行くがその姿は原爆と共に既に消えており、自分がもう未来には戻れないことを悟る。

それから50年後、老人となったノボルは現代の家族が住む家へと向かい、妻と子どもに出会う。もちろん二人とも本人とは気がつかないが、飼っていた犬のミスティだけはノボル本人であることを見抜き、さかんにじゃれついてくる。ノボルはシャトル打ち上げ前の妻との約束を守り、そして家族にひと目だけでも会えたことに少しだけ満足をしながら、家をを後にする。「ここに来るのに50年かかった。長い時間がいったんだよ、スーザン….」とつぶやきながら。

アメリカの音楽をこよなく愛していた橋口中尉。そして「(ノボルを)憎む理由はないから」と自らの危険を顧みずにノボルを助けた橋口中尉の姉。終戦後、ノボルが橋口に「(自分は日系2世であり、アメリカ人の妻と結婚していることにからめて)あなたたちができなかったことが私たちにはできたんだよ」と語る。そして終盤、走り去る車の中で「ここに来るのに50年かかった。長い時間がいったんだよ、スーザン….」とノボルはつぶやく。ここには言葉通りの意味とともに、若き父とその姉へと語った「人間同士でいがみ合うことの愚かさを理解するまでには長い時間かかること」、そして私たちが私たち自身を「地球という美しい惑星に共に生きる人類」という視点で眺めることの大切さを語っているように思う。

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